ロード・オブ・ジュエリー

06 ロー付け(サイズ直し)

ロー付け

プサイズ直しや製作過程の地金同士の溶接をロー付けといいます。一般的にはロー材と呼ばれる材料素材より融点の低い他の地金を使用します。この場合の注意点は、溶接面をきちっと合わせなければロー付け後その部分が弱くなったり色の違いが出たりします。

最近ではレーザーを使用した溶接方法がよく使われるようになってきました。地金同士を溶接する方法で他のロー材を使用しないために強度が比較的高く、また、作業時間的にも短く済みます。

溶接部分が比較的小さくチェーンなどの溶接に多く使われてきましたが、現在では技術の向上により製品の製作にも徐々に使われるようになってきています。

サイズ直し

現在の宝飾品の販売では指輪の販売比率は大きく、その際に発生するサイズ直しは避けることのできない大事な過程です。デザインによってはサイズ直しが容易なものと避けた方が良いものがあります。また、製作の過程、つまり手作りかキャストかの違いによってもその加工範囲の違いが出てきます。

お客様が商品を決定後にサイズ直しが不可能であることを告げた場合には、商品のキャンセルだけではなくお客様が不信感を抱くことになります。
職場では可能な限り、事前にサイズ直しが可能なデザインであるかどうか、また受注製作が可能かどうかをクライアントに確認しておくようにしましょう。

方法

サイズ直しはリングの一部を切断し、大きくするものは地金を足し、小さくするものは地金を切り落とします。

一般的に複数を使う石座部分が幅広いものや石留めが挟んで行われているものは、サイズ直しの範囲が狭く多くは1番から2番以内と考えて良いでしょう。もしその範囲を超える場合にはリングの円形を崩してサイズ直しを行う場合がありますが、これは無論良いことではありません。時として作業中や後日、宝石が落ちることがあるからです。

作業中は職人が努力し、また修理も可能ですが商品の強度やデザイン、バランス次第では後日トラブルを起こすことがあります。

お客様にこだわりがある場合

ただし、お客様がそのデザインに固執した場合にはクライアントに相談し新たにお客様のサイズで製作が可能かどうか、もしくはサイズ直しが可能なものかを相談しましょう。

お客様の装着する指に固定感を持たずに、デザインによって似合う指は違ってきますので、サイズに合う指に対してお勧めするのも一つの方法です。

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