ロード・オブ・ジュエリー

11 各種ジュエリーの取り扱い

各種ジュエリーの取扱い

トレーやケースの上に複数の商品を重ねる事は論外ですが、その理由を身に付ける事により、それぞれの商品に対しそれぞれの取扱い方法で気を付けるようにしましょう。

基本的には硬度の違うものはお互いの商品が傷つくことは言うまでもなく、宝石同士に損傷が起きる可能性があり、姿としても美しくありません。
商品収納の際にコンパクトにするために数量の詰め込みを目にすることがあります。指輪を重ねて差したり、商品がそれぞれビニールに収納されている場合であっても圧力がかかることは良いことではありません。

サイズ棒が貴金属より硬い材質で出来ている場合も多く、商品はもとよりお客様のお品物のサイズを確認する時にも十分な配慮が必要となります。なるべく摩擦が起きないように取扱うことが必要となります。

ブローチの取扱い

ブローチはある意味最も気を付けなければいけない商品です。なぜなら衣類に取り付けるために針がついているからです。針は危険なことはもちろんのこと繊細でもあります。

お客様の衣類の材質が目の詰まったものであれば針が曲がり、柔らかい材質であれば衣類を傷つけてしまいます。お客様のご要望があった場合でも出来る限りあてがうだけにしましょう。

ブローチは構造上、本体と取り付け部分の間に空間があります。このため特に圧力には弱く、重ね置きや取扱いには特に気配りが必要となります。

ペンダントの取扱い

ペンダントにおいてもネックレス、ブローチと同様の注意点があり気を付けることが必要です。

ペンダントの場合は直接肌に触れる場合も多く、お客様によっては擦れて肌に支障が出る場合もあります。この場合には新品仕上げ等を前提とした販売を心がけるようにしましょう。

イヤリングの取扱い

イヤリングの金具はジュエリーの中では最も繊細と言えるでしょう。何回も可動させるために摩耗も激しい事はもちろんですが、繊細な作りがゆえに変形もしやすいのです。

イヤリングにはピアスとの兼用のものがあります。この場合にピアスのピンとイヤリングの金具がうまく噛み合ないものがあります。この際に無理に合わそうとすると全体に歪みがくる場合があります。

ピアスの取扱い

ピアスの場合、試着の際に針を当然出し入れしますが、その際には必ず装着前後に拭き取り作業をするようにしましょう。

皮膚の敏感さは人それぞれに違いがありますので特に気を付けましょう。同じくキャッチにタグがついている場合が多くありますので紛失をしないように心掛けましょう。

アンティークの取扱い

アンティークジュエリーの販売機会が多くなってきています。特徴は製作されてから期間が経っているということは言うまでもありません。

基本的には百年以上経っているものを前提としていますから、より以上の気の配りが必要となってきます。一般的にロー付けの部分は共付けという同じ地金を使用し溶接をしていることが多くあり、溶接部分には現代ほどの問題点を持っておりません。

しかし石留めなどは時間が経っている分だけゆるくなっていたり爪が破損していたりするケースが多くあります。

私たちの仕事

これまで商品の出来上がる工程とその仕上がり、取扱い等を学んできました。

なぜ価格に違いがあるのか、それは主役である宝石だけが要因ではなく、良いものはやはり手間ひまが掛かり手頃なものはより価格的な効率を追求されて製作されていることが理解出来たと思います。

私たちの仕事は美しいもの、そして希少性の高いものを販売することです。

ジュエリーの作りはデザイン性もさることながら、主役である宝石を身に着けるための機能性や宝石を衝撃から守るための役割を担っています。
その大事な部分を忘れてしまうとお客様が不愉快な思いや不信感をお持ちになり、せっかく手に入れた宝石が一瞬で嫌な思い出になってしまいます。

正しい知識を身に付けることはトラブルを回避し信頼を受ける販売の第一歩と考えましょう。

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